SDGs研修体験記 in バリ島 第1回「トリヒタカラナとローカルヒーロー」


 今回からblog執筆の担当メンバーとなりました。訪問看護部のイソヒヨです。よろしくお願いいたします。

 

 20242月にプライベートでインドネシアのバリ島へ渡航し、「SDGsのその先」を学ぶための研修に参加した職員がいます。その体験を「バリ島SDGs研修体験記」として、全4回で紹介をさせていただきます。


新しい場所で新しい体験をし続けた1週間。SDGsのその先に何が見えたのか。NPOに勤務する私たちの成長のヒントとなり、地域や地域の皆様にも還元できる学びの共有となれば幸いです。


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SDGs研修体験記 in バリ島

目次

第1回「トリヒタカラナとローカルヒーロー」
第2回「バリ島のごみ問題とサーキュラーエコノミー」
第3回「ホームステイで体感した“SDGsのその先”」
第4回「システムチェンジとリジェネラティブ」

 

第1回「トリヒタカラナとローカルヒーロー」


夜に宿泊先に到着した私たち10名。民族楽器の演奏と笑顔でお出迎えをしてくださりました。

 

1.Five Pillar Experience

バリ島で最初の研修講師は、Five Pillar Experiencesでした。

Five Pillar Experiencesは、農村地域の経済発展を推進する持続可能な観光システム(サステナブル・ツーリズム)を創出し、それを発展させながら文化や自然を保護することをビジョンとし、バリ島内外の田舎のコミュニティや多様な文化、手つかずの自然環境の魅力を感じられる「責任の伴う旅行体験」を企画・提供することをミッションに活動する企業です。

彼らは2012年に農村開発と現地の若者支援として財団を発足し、現在まで地域の人々のほか、20以上の企業から支援され、地域密着型の観光業の発展のための活動をしています。

私たちは彼らの温かい歓迎を受けました。

 

2.世界遺産:トリヒタカラナ

バリ島の文化や伝統の基盤であるトリヒタカラナ。サンスクリット語でトリ=3、ヒタ=幸福、カラナ=理由。

トリヒタカラナは、バリ・ヒンドゥー教の哲学で、人と神、人と人、人と自然、の宇宙観を示しており、バリ人の生活や社会に深く根付いています。

バリ島で9世紀から続いている農業における水利組合システム「スバック」は、コミュニティ全体で水を共有する仕組みです。スバックは、自然資源の持続可能な利用を実践する一例であり、バリ島全体の農業と生態系を支えています。また、スバックは水を分け合うだけでなく、神への崇拝や宗教儀礼にも結びついています。

スバックによって神殿や棚田を管理し、1000年にわたって景観を築いたことなどが評価され、2012年に世界遺産へ「バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナ哲学に基づくスバック灌漑システム」が登録されています。

手順が細かく定められているカナン作り。バリ島では、カナンを上手に作れることが評価されるようです

 

3.カナン作りの体験

トリヒタカラナの実践として、彼らからカナン(お供え物)作りを教わりました。カナンは、毎日手作りされ神々に捧げられるもので、花びらやバナナの葉など全て自然の素材で作られています。私は、大量の色とりどりの花びらと、その香りに触れ、カナン作りを楽しみました。

カナンを作ることにより、トリヒタカラナの哲学が生活の中にどのように息づいているかを体感できます。自然のものである葉や花を、人間が手作業で作り、神々に供える(還す)。

毎日捧げられるカナンは、一日の終わりには風や動物によってその形が崩されます。そして、また次の日には新しいカナンが作られます。これにより、自然と人間の関係が絶え間なく続くことを示しています。カナンの作成と消滅のプロセスから、生命の一時性や自然との調和の大切さを学び、神々との繋がりを体感しました。

また、カナンの中には、善悪の調和を象徴する要素が含まれています。地面に供えられているカナンには、「悪霊にも感謝し、お供えをする」という意味が込められているそうです。

バリの人々がいかにしてバランスを保ちながら生きているかを理解することができました。

カナンの花の色や、花を配置する場所は、決められています。それぞれの方角や神々に対する祈りを込めて作ります

 

4.ローカルヒーロー

講義のまとめとして、現地で活躍するローカルヒーローたちの紹介を受けました。彼らは地域の持続可能な発展に尽力しており、その活動の紹介を受け、私たちにとって大いに刺激となりました。誰にでもローカルヒーローになれる素質やチャンスがあることを実感しました。

街中の地面や、ビーチにも、カナンがたくさん置かれていました。どのような祈りを込めて、誰が作ったのでしょうか


研修1日目・午前中のこの研修を通じて、私はバリ島の深い文化に触れることができ、トリヒタカラナの哲学やカナンの作成を通じて、自然との調和や生命の循環について深く考える機会を得ました。

また、Five Pillar Experiencesや地元で活躍するローカルヒーローたちの活動から、持続可能な社会を実現するための具体的な取り組みを学ぶことができました。


 Five Pillar Experiencesの講義を終え、午後は、南部最大のゴミ山に向かいます。そこでは、どのような体験や学びを得たのでしょうか。次回の体験記も楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。

 

持続可能な開発目標SDGs

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

SDGs未来都市

https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e083/kuseijoho/keikaku/kuseiunei/sdgs/torikumi/miraitoshi.html

東京都江戸川区 第2期SDGs未来都市計画

https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e083/kuseijoho/keikaku/kuseiunei/sdgs/goal/index.html

Five Pillar Experiences

https://fivepillarexperiences.com/

世界遺産バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナ哲学に基づくスバック灌漑システム

https://whc.unesco.org/ja/list/1194

一般社団法人Earth Company
https://www.earthcompany.info/ja/visionmission/
日本財団
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/ocean


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