ＳＤＧｓ研修体験記 ｉｎ バリ島 第２回「バリ島のごみ問題とサーキュラーエコノミー」

2024年2月にプライベートでインドネシアのバリ島へ渡航し、「SDGｓのその先」を学ぶための研修に参加した職員がいます。その体験を「バリ島SDGs研修体験記」として、全４回で紹介をさせていただきます。

　新しい場所で新しい体験をし続けた１週間。SDGsのその先に何が見えたのか。ＮＰＯに勤務する私たちの成長のヒントとなり、地域や地域の皆様にも還元できる学びの共有となれば幸いです。

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ＳＤＧｓ研修体験記 ｉｎ バリ島

目次

第１回「トリヒタカラナとローカルヒーロー」
✅第２回「バリ島のごみ問題とサーキュラーエコノミー」
第３回「ホームステイで体感した“SDGｓのその先”」
第４回「システムチェンジとリジェネラティブ」

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第２回「バリ島のごみ問題とサーキュラーエコノミー」

本記事で訪れた場所（訪問順）

　Sungai Watch https://sungai.watch/
　Bali Life Foundation https://www.balilife.org/
　ROLE FOUNDATION https://rolefoundation.org/
　Potato Head https://seminyak.potatohead.co/regenerate

Sungai Watch
Sungai Watchの活動は河川の清掃に留まらず、実際にどの企業のごみが河川を汚染しているのか、
企業名とデータを公開し、現状を社会に訴えかけている

　海洋廃棄物によって酷く汚染されたマングローブ河川のゴミ拾いを体験しました。
　河川にはプラスチックやその他の廃棄物が溢れ、川はまるでごみ捨て場のようになっていました。
　この光景は衝撃的であり、環境への影響を身をもって感じました。

Bali Life Foundation
環境問題と社会課題、２つの課題が絡み合う南部最大の埋め立て地、Suwung
BLFは子どもたちとその家族に安全な場所やコミュニティを提供することをビジョンとしている

　スカベンジャーと呼ばれる人々の暮らしを目の当たりにしました。
　彼らは廃棄物の中から再利用可能なものを回収し、それを生活の糧としています。
　貧困や社会の中での厳しい現実を生き抜いている彼らの姿は、持続可能な未来のために何ができるのかを考えさせられるものでした。
　スカベンジャーのコミュニティーには児童施設や女性の就労支援施設があり、そこでは彼らが新たなスキルを学び、自立を目指す姿が印象的でした。

ROLE FOUNDATION

　ここでは徹底した廃棄物の管理を目の当たりにしました。
　廃棄物の細かい分別が行われており、その過程で再利用やアップサイクルが可能な資源が慎重に選別されていました。
　それはまさに、循環型経済の本質を示すものであり、廃棄物が新たな価値を生み出す資源に変わる可能性を実感しました。
　また、自然素材を使った草木染め体験も行い資源を無駄にせずに再利用することの大切さを学んだり、種団子を作るワークショップにも参加しました。

Potato Head
富裕層に大人気のビーチクラブの壁は、ごみとして回収されたビーチサンダルで覆われている。
Potato Headは、新しい時代のクールさを体現している。

　バリ島でも特に人気が高い施設。ここでは、アップサイクルという考え方が根付いたデザインを目にしました。
　廃棄物が高品質な製品に生まれ変わり、それを自施設内で再利用をしたり。市場に出て行く様子は非常に印象的で、これこそが持続可能な経済の未来だと感じました。
　また、廃油を利用した蝋燭作りのワークショップにも参加しました。
　普段であれば捨てられてしまう廃油が、新しい形で命を吹き込まれる過程はとても感動的でした。




　一連の体験を通じて、私は廃棄物は単なるゴミではなく、循環の中で新たな価値を生み出す重要な資源であると実感しました。

　廃棄物や資源の管理がどのように地域社会や環境に影響を与えているかを実際に体験し、サーキュラーエコノミー（循環型経済）の重要性について深く考えさせられました。

　研修を終え、リゾートホテルに戻ると、そこにある景色に疑問を感じる自分がいました。
　煌びやかな装飾に、宿泊者専用のプール。

　マスツーリズムがもたらすネガティブインパクト。サステナブルツーリズムへの希望。

　目の当たりにした不都合な現実と、私たち自身について、遅くまで部屋で仲間たちと語り合いました。

『分ければ資源、混ぜればごみ』

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執筆：訪問看護部