ＳＤＧｓ研修体験記 ｉｎ バリ島 第３回「ホームステイで体感した“SDGｓのその先”」
2024年2月にプライベートでインドネシアのバリ島へ渡航し、「SDGｓのその先」を学ぶための研修に参加した職員がいます。その体験を「バリ島SDGs研修体験記」として、全４回で紹介をさせていただきます。
新しい場所で新しい体験をし続けた１週間。SDGsのその先に何が見えたのか。ＮＰＯに勤務する私たちの成長のヒントとなり、地域や地域の皆様にも還元できる学びの共有となれば幸いです。
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ＳＤＧｓ研修体験記 ｉｎ バリ島
目次
第１回「トリヒタカラナとローカルヒーロー」
第２回「バリ島のごみ問題とサーキュラーエコノミー」
✅第３回「ホームステイで体感した“SDGｓのその先”」
第４回「システムチェンジとリジェネラティブ」
第２回「バリ島のごみ問題とサーキュラーエコノミー」
✅第３回「ホームステイで体感した“SDGｓのその先”」
第４回「システムチェンジとリジェネラティブ」
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第３回「ホームステイで体感した“SDGｓのその先”」
エコヴィレッジに到着2日間の研修を終え、3日目のテーマは「Deep Dive」。
観光開発のために多くの土地が大口資本家に買い占められていくバリ島のある村で、暮らしを体験するホームステイが始まりました。
この村で生まれ育ち、学生時代を都市部で過ごし、現在は村を守るために活動している女性から話を伺いました。
彼女は大学卒業後、都市部で会社員として働き、ファッションや贅沢な食事、モノに囲まれた生活を豊かだと感じていたそうです。ところが、ある日、実家の村を訪れた際に変化に気づきました。
村のビーチで遊んでいた子どもたちが警備員に追い出されているのです。 もともと村が所有していたビーチは、リゾートホテルや別荘のオーナーたちによってフェンスで囲まれ、村の人々が自由に使えなくなっていました。
彼女は、グローバリズムや資本主義の拡大によって、自分の生まれ育った場所が失われつつあることを痛感しました。そして、都市部で築いてきたキャリアを捨て、村に戻って「エコヴィレッジ」を設立しました。 このエコヴィレッジでは、大量消費型の観光（マスツーリズム）ではなく、ホームステイや村内ツアー、植林活動、教育プログラムなど、村の本来の魅力を伝えるエコツーリズムを実践しています。
私たちは、彼女の父親が守っている土地で植林活動を行った後、それぞれのホームステイ先へ向かいました。
植樹を行ったエコヴィレッジの風景写りこむ風景の多くは、大口資本家により既に買収されている
ホームステイ先に着くと、パパは庭の木から採ったココナッツをふるまってくれました。庭には一頭の牛がいて、隣には幅10メートルほどの川が流れています。川では少年たちが魚釣りをして遊んでおり、村の日常の風景に心が和みました。
荷物を整理していると、私は洗面用具の一部を宿泊していたホテルに置いてきてしまったことに気づきました。 英語が話せない私はスマートフォンを使ってパパとやり取りをし、「村で売っていれば買いに行きたい」と相談しました。すると、パパは「一緒にスーパーまで行こう」と言い、バイクに乗せてくれることになりました。
ホームステイ先の自室
出発してすぐ、小さな商店でパパがバイクにガソリンを入れました。 道中、パパはすれ違う村人たちと挨拶を交わしながら進みます。 初めてバイクの後部座席に乗り、バリ島の美しい夕暮れを眺めながら、私は研修の疲れや英語が話せない不甲斐なさ、忘れ物をした自分への情けなさで胸がいっぱいでした。しかし、そんな中でもパパの温かい気遣いに救われた気持ちになりました。
帰り道、パパは海が見える丘の上でバイクを止め、何かを語ってくれました。 私は英語が喋れないため、その言葉の意味は分かりませんでしたが、きっとこの景色の美しさを伝えたかったのでしょう。それとも、ビーチが資本家に奪われている現状について話していたのかもしれません。
家に戻ると、私は感謝の気持ちを込めて「せめてガソリン代だけでも払わせてください」と翻訳アプリを通じて伝えました。しかし、パパは首を横に振り、「あなたは息子のような存在だから、気にしないで」と翻訳アプリでメッセージを返してくれました。バイクの給油先で見たバリ島の夕景SDGsのその先へ部屋に戻り、今回の研修や過去の体験を思い返すと、涙が止まりませんでした。この村でのホームステイは、単なる「体験」を超えたものでした。 資本主義やグローバリズムがもたらす影響の中で、それに抗いながら村を守り、次世代に引き継ごうとする人々。
彼らの生き方や価値観に触れたことで、SDGsという言葉の先にあるものを確かに感じることができました。
早朝のビーチを笑顔で走る野犬たち#IDGs#BeyondGDP#SWGs🌏執筆：訪問看護部
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